③.脂質について2021-03-29T17:00:21+09:00

脂質は関節の健康や脳の働きホルモン分泌や脂肪燃焼においても必須の栄養素です。1g=9kcalあり、オリーブオイルやココナッツオイルなどの油類、アーモンドやクルミなどのナッツ類にも含まれます。

脂質と聞くと、炭水化物と同じく「悪」として捉われやすく、ダイエットを始めると脂質の摂取を極端に減らす人も多いのが事実です。しかしそれは間違いです。

脂質が足りないとどうなるか?

良質な脂質を摂取しないと身体がしっかり機能しなくなり、脂肪燃焼の妨げになったり、筋肉を増やし代謝を高めるホルモンの減少につながってしまうのです。

体が必要とする良質な油をできる限り選んで摂取するように心がけましょう。

調理で使えるおすすめのオイル① : オリーブオイル

オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は熱に強く、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを維持する働きをしてくれます。

オリーブオイルを選ぶときにはエキストラバージンオリーブオイルを選びましょう。エキストラオリーブオイルの中でも特に酸化が少ないと言われています。

調理で使えるおすすめのオイル② : アボカドオイル

オリーブオイルと同じくオレイン酸を多く含むため熱に強いオイルです。アボカド由来のビタミンが含まれるのも良いですね。

調理で使えるおすすめのオイル③ : ココナッツオイル

酸化しにくく、エネルギーに変わりやすいです。少し風味が強いので、使う料理の種類を選ぶかもしれません。

調理で使うために注意したいのが、オイルの酸化です。

特に植物に含まれるオイルは、高温になったり、空気に触れる時間が長くなったりすると酸化しやすくなると言われます。酸化したオイルは過酸化脂質という健康に害を及ぼす成分であり、それが体内に入ると活性酸素を発生させ、細胞の老化を早めたり、さまざまな病気の原因になるともいわれています。

調理に使うオイルを選ぶ際には上記に挙げた酸化に強いオイルを選びたいですね。

血液をサラサラにするオイル① : フィッシュオイル、クリルオイル

これらのオイルにはDHAやEPAなど血液をさらさらにして血管や心臓の健康を守ったり、脳の認知機能を高めるオメガ3系脂肪酸が多く含まれています。

同じオメガ3のオイルでもクリルオイルに含まれているものは吸収がされやすく、重金属汚染が少ないクリーンで良質なオメガ3なので特におすすめです。

またオメガ3系脂肪酸の摂取により、筋肉痛を抑えたりする抗炎症効果も期待できます。

血液をサラサラにするオイル② : えごま油、亜麻仁油

これらのオイルもオメガ3脂肪酸が豊富です。

一方でEPAとして体内で使われる量が少ないため、魚と比べると健康効果は少ないかもしれません。

熱にも弱く酸化しやすいことから、敢えてドレッシングなどに追加して摂取する必要はありません。

脂肪燃焼を促進させるオイル① : ・ココナッツオイル MCTオイル

体内でエネルギーに変りやすいのが中鎖脂肪酸(MCT)と呼ばれるオイルです。

ココナッツオイルにはこのMCTが60%ほど含まれ、ココナッツオイルからMCTだけを抽出したものがMCTオイルです。

高齢者を対象とした研究では筋機能の維持効果も示唆されており、筋肉にとっても重要な脂質です。

〇脂質が含まれる食品(オイル)リスト

アボカドオイル 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
クリルオイル 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
フィッシュオイル 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
MCTオイル 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
ココナッツオイル 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
アーモンド 10粒 7G 90kcal
ヘーゼルナッツ 10粒 10G 100kcal
クルミ 5粒(40G) 17G 170kcal
えごま油 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
亜麻仁油 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
バター 大さじ一杯(10G) 8G 80kcal
ラード 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
ひまわり油、サフラワー油 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
ごま油 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
キャノーラ油、大豆油、コーン油、植物油 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal
マーガリン 大さじ一杯(10G) 10G 90kcal

摂取を少なくしたい脂質

・ラード(飽和脂肪酸)

豚の背油から摂れる油。たんぱく質食材でも述べましたがお肉の油の摂りすぎは、『飽和脂肪酸』の過剰摂取に繋がります。

・キャノーラ油、大豆油、コーン油、植物油

これらの食材に多く含まれる脂質は『オメガ6系脂肪酸』『多価不飽和脂肪酸』と呼ばれ、オリーブオイルなどの『一価不飽和脂肪酸』と比較して、酸化しやすい性質があります。

欧米ではお肉などに含まれる『飽和脂肪酸』の摂取が多いため、植物油に置き換えることでコレステロール値を低下させ、血液をサラサラにすると言われています。

日本人は元々、飽和脂肪酸の割合が少ないため、わざわざ酸化しやすいサラダ油などのオメガ6系脂肪酸を増やす必要はありません。

摂取を避けたい脂質

▼マーガリン(ショートニング、ファットスプレッド)

植物オイルを化学処理によって固めたもので、『トランス脂肪酸』を多く含んでいる可能性があります。

トランス脂肪酸は中性脂肪、悪玉コレステロールが増えやすくなる等、人体に及ぼす悪影響は様々で、アメリカではトランス脂肪酸の食品利用が全面禁止されている程です。ダイエットに不向きなだけでなく、健康に悪影響をもたらすので避けましょう。

植物油の脱臭工程でもトランス脂肪酸が一定量できます。この観点からも調理油には植物油よりもオリーブオイルを用いることがおすすめです。